若い人と比べて高齢者の体調は、普段何気なく過ごしているときにも変化します。体調の変化が起こりやすい原因には、加齢による臓器機能の低下などが挙げられています。しかし、高齢者の中には、疾病があっても本人に自覚症状がなく、周囲の人も気づかずに、そのまま重症化してしまうというケースも少なくありません。ですから、体調の変化に気づいたときには手遅れになることも起きています。

そこで、高齢者の体調の変化に素早く気づくためには、日頃から高齢者の体調管理を周囲がしっかりと行うことが大切です。高齢者が自らの体調の変化を訴えられればそれに越したことはありませんが、それに期待しては危険です。万が一本人が体調不良を感じていても、それを上手く表現できないこともあるので、家族や介護士が気を配ることが重要です。

具体的な方法としては、バイタルチェックや、高齢者本人に普段の体調について積極的にヒアリングをすることが挙げられます。ほんの少しの体調の変化でも、重大な疾病の前兆かもしれません。ですから、これらのことと併せて、高齢者の表情や身振りにも注目することがポイントです。

普段から注意深く高齢者を観察していれば、顔が引きつっていたり、身振りが多く何かを訴えようとしているなど、何かしらの方法で体調の異変を読み取ることができます。また、便秘や下痢、食欲不振、不眠、誤嚥、体のむくみなど、実際に体が異常を発していることもあるかもしれません。どんな些細なことでも決して無視することなく、異変があれば、医療機関と連携を取るようにしましょう。