高齢者は体調が変化しやすいと言われています。ですから、体調の変化を見逃さないためには、決まった時間にバイタルチェックを正しく行うことが有効です。血圧の数値や呼吸の回数が正常かどうかをはじめ、血中酸素濃度も必要がある場合には定期的に図ります。

ただし、バイタルチェックが全てではありません。あくまでバイタルチェックは健康状態を把握するための1つの大切な指数です。そして毎回決まった時間に測ることで、個人の健康状態や日々の体調の変化にいち早く気付くきっかけにします。

また、バイタルチェックと同時に、高齢者に接する時には声の調子や顔の表情などを観察することも重要です。体調が良いときは声が弾み、体調が悪い時は沈んだ声になります。それに、体調が良いときは表情が明るいのに、体調が悪い時は暗い表情になるので、コミュニケーションを取りながら、これらを確認することも介護の仕事には欠かせません。

今の高齢者は時代を反映してか、体調が悪くても我慢する人が多い傾向にあるようです。そのため、介護職は自己申告を待つだけでなく、普段の仕事を通して体調の変化に気付いてあげることが重要です。些細な変化でも、早く気付いて対処することが、利用者の健康管理に役立ちます。ですから、介護職は高齢者のちょっとした変化も見逃さないように、しっかりとバイタルチェックを行ったり、普段と様子が違わないかを観察して、必要に応じて適宜対処するようにしなければなりません。